【教育担当】「教えてもらえない」と感じる20代と、「ちゃんと教えている」先輩のすれ違いの正体
「ちゃんと教えてもらえないんです」
最近、20代の新入社員からよく聞く言葉です。
一方で、先輩社員や現場の方に話を聞くとこう返ってきます。
「いや、普通に教えてるけど…?」
――このズレ、なぜ起きるのでしょうか。
実はここには、“仕事を教える”ということに対する認識の違いがあります。
20代が考える「教えてもらう」とは
20代の多くは、「教えてもらう」をこう捉えています。
- 手順を一から丁寧に説明してもらえる
- 失敗しないやり方を事前に教えてもらえる
- 分からないことはすぐに答えがもらえる
- 正解が明確に提示される
つまり、「再現性のある正解を渡してもらうこと」が “教えてもらう” という感覚です。
背景には、学校教育やマニュアル文化、検索すれば答えが出る環境があります。
「まず正解を知る」というスタイルが当たり前になっています。
先輩社員や現場の方が考える「教えている」とは
一方で、先輩側はこう考えています。
- まずは一度やってみてもらう
- 自分なりに考える機会を大切にする
- つまずいたときにヒントを添える
- 経験の中から気づきを得てもらう
つまり、「考え方や仕事の進め方を身につけさせること」が “教えている” という感覚です。
これは「自走できる人材を育てる」という視点から来ています。
すれ違いの正体
この2つを並べると、ズレは明確です。
- 20代:正解を先に知りたい
- 先輩:正解は自分で導いてほしい
どちらが正しい・間違いではなく、 “前提が違うだけ” です。
しかし、この前提の違いが共有されていないと、
- 20代 →「放置されている」
- 先輩 →「受け身すぎる」
という、お互いにストレスのある状態になってしまいます。
ギャップを埋めるために必要なこと
では、このズレはどうすれば埋まるのでしょうか。
ポイントはシンプルで、「教え方」ではなく “すり合わせ” です。
① 最初に“教え方の方針”を伝える
例えば、こんな一言だけでも大きく変わります。
「最初は全部は教えないけど、考え方はフォローするね」
これだけで、20代側の不安はかなり軽減されます。
② 「どこまで教えるか」を明確にする
- 最初は手順まで教える
- 2回目はヒントだけ
- 3回目は自力
このように段階を示すことで、納得感が生まれます。
③ 質問の“質”を揃える
20代の方には、こう伝えると伝わりやすいです。
「分からないときは、“自分なりの答え” を持って聞いてほしい」
これにより、ただの「教えてください」から「考えた上での相談」に変わります。
④ フィードバックを早く・具体的に
20代は「正解が分からない状態」に強い不安を感じます。
- 良い点
- 改善点
- 次にどうすればいいか
を短いスパンで伝えることで、成長実感が生まれます。
これからの育成に必要な視点
これからの時代に必要なのは、
「教えるか、教えないか」ではなく
“どうすれば伝わるか”を設計することではないでしょうか。
20代は決して受け身なわけではありません。
ただ、「仕事での学び方」に慣れていないだけです。
そして先輩もまた、
「どう教えれば伝わるか」を言語化する機会が少なかっただけです。
まとめ
「教えてもらえない」と「教えている」は、
同じ現場で同時に存在します。
その正体は、能力の問題ではなく「認識のズレ」です。
このズレを埋めることができれば、
育成はもっとスムーズに進み、
組織全体の成長スピードも上がります。
最後に・・
このすれ違いは、特別なことではなく、どの現場でも起こり得るものです。
そしてその多くは、「能力」ではなく、ほんの少しの認識の違いから生まれています。
だからこそ大切なのは、相手の前提を知ること。
「なぜそう感じるのか」「なぜそう教えるのか」を理解し合うことです。
教える側も、教わる側も、少しだけ歩み寄るだけで、
仕事の進み方も、関係性も、大きく変わっていきます。
“教えてもらえない”を“成長のきっかけ”に変えられるかどうかは、
ほんの小さなすり合わせから始まります。